コミュニティ運営をプロダクトマネジメントだと考える #toukatsu_dev

私は東葛.devという千葉県北西部を中心とした地域の技術コミュニティを主催しています。

東葛.devとはなにかの詳細は次の記事をご確認ください。

hk-it.hatenablog.com

このコミュニティを運営するときに、これってプロダクトマネジメントだよなーって思うことがあるので、記事にまとめます。

プロダクトマネジメントとは継続のマネジメント

プロダクトマネジメントって聞くと、なんだかすごい専門用語に聞こえるかもしれません。でも、すごくざっくり言うと、「長く続けていくことを考える」ってことだと私は思っています。対して、プロジェクトマネジメントは「これをやり切るぞ!」っていう完遂がゴールになります。

例えば、イベントを一つ企画して成功させるのはプロジェクトマネジメントの要素が強いですよね。でも、コミュニティって一回のイベントで終わりじゃなくて、ずっと続いていく、続かせていくものです。だから、東葛.devの運営は、プロダクトを育てていく感覚に近いなと感じています。どうすればメンバーが飽きずに、楽しく、長く関わり続けてくれるんだろう?って考えるのが、コミュニティ運営におけるプロダクトマネジメントの肝だと思っています。

コミュニティをプロダクトとして考えたときの東葛.devの設計

東葛.devを「プロダクト」としてみた時に、どのように設計しているのか、ちょっとお話しさせてください。

意図に則したイベント設計の詳細はこちらの記事でも記載しています。

hk-it.hatenablog.com

目標、目的の明確化

コミュニティの目標や目的って、意外とぼんやりしがちですよね。でも、ここがしっかりしてないと、どこに向かっているのか分からなくなっちゃいます。

このコミュニティ(プロダクト)がユーザーに何を提供するのかを明確にするのがマネージャーの大きな役割の1つだと考えていて、東葛.devでは、何よりも「参加者同士の交流」を一番大事にしています。新しい技術の話をしたり、共通の趣味で盛り上がったり、ちょっとした相談ができたり、そんなゆるやかなつながりを提供したいんです。だからこそ、ちょっと変わった方針を取っています。

参加者の交流を重視するため人数を増やしすぎない

「え、コミュニティって人が多い方がいいんじゃないの?」って思うかもしれません。でも、人数が増えすぎると、一人ひとりの声が届きにくくなったり、せっかく来ても発言しづらい雰囲気になったりすることがあります。東葛.devでは、みんなが顔と名前を覚えて、気軽に話せるくらいの規模感を意識しています。参加者それぞれが「ここに自分の居場所があるな」って感じられるような、あったかいコミュニティを目指しています。特にオフラインイベントでは、みんなが顔と名前を覚えて、気軽に話せるくらいの規模感を意識しています。

企業のスポンサーを受けない

これを明確に表明することはかなり特徴的な点かもしれません。企業のスポンサーがあれば、会場費や懇親会費の負担を減らせたり、色々な面で助かることが多いですよね。でも、東葛.devではあえて企業のスポンサーを受けないことにしています。なぜかというと、企業の意思や、スポンサーに対する義務感によって、コミュニティ本来の目的がブレてしまうのを防ぎたいからです。例えば、「この企業をアピールする場にしないと」とか、「この技術を優先的に扱わないと」みたいな、本来の交流から外れた意図が入ってくるのを避けたいんです。純粋に「参加者同士の交流」という目的に集中するために、この方針はとても重要だと考えています。

コンセプトをユーザー(参加者)に伝える

プロダクトって、どんなに素晴らしいコンセプトがあっても、それがユーザーに伝わってないと意味がないですよね。コミュニティも同じで、「なんでこのコミュニティが存在するのか」「どんな場所なのか」をちゃんと参加者のみんなに伝えることがすごく大事だと思っています。

東葛.devでは、初回参加の方にはもちろん、イベントのたびにコミュニティの趣旨や大切にしていることをざっくりとでもお話しするようにしています。例えば、「このイベントの目的は参加者同士の交流だよ」「ここでは気軽に技術の話ができるよ」「分からないことがあっても大丈夫、みんなで教え合う場だよ」みたいな感じで、安心して参加してもらえるように心がけています。またこういったブログ記事やXでの投稿も「コンセプトをユーザー(参加者)に伝える」一環としてやっています。これによって、新しい人も既存のメンバーも、みんなが同じ方向を向いて、安心してコミュニティに参加できると思っています。

持続可能性

プロダクトが長く続いていくには、持続可能性ってすごく大切ですよね。コミュニティも同じで、一過性のものではなく、ちゃんと長く運営できる仕組みを考えています。

お金をかけすぎない

先ほどスポンサーの話をしましたが、基本的に運営にお金をかけすぎないように工夫しています。例えば、会場は公共施設を利用したり、懇親会や飲食の提供を行わないなど、なるべくコストを抑えることで、運営側の負担を減らし、長く続けられるようにしています。運営に無理があると、どうしても途中で息切れしてしまいます。

運営メンバーを増やす

一人でコミュニティを運営し続けるのって、かなり大変です。なので、一緒にコミュニティを盛り上げてくれる運営メンバーを増やすことも意識しています。私だけじゃなくて、他のメンバーも企画を考えたり、イベントの準備を手伝ってくれたりすることで、運営が安定しますし、色々な視点やアイデアが加わることで、コミュニティ自体もより面白くなっていきます。

おわりに

コミュニティ運営って、なんだかんだでプロダクトを育てるのと似ているな、って思うことがたくさんあります。どうやったらみんなに喜んでもらえるか、どうやったら長く続けてもらえるか、そんなことを常に考えながら、東葛.devをこれからも楽しく育てていきたいと思っています。

さらに、コミュニティ運営の裏側で私がどんなことを考えているのか、もう少し深く知りたい方は、Cosenseもご覧ください。

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実はコミュニティなのにMVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を定めていたりするんですよ(もちろん、これは運営側の指針なので、参加者のみなさんが意識する必要はありませんが!)。