EMConf JP 2025に参加しました。
学んだこととこれからやっていきたいことを書いていきます。その関係上、実質ポエムです。
各セッションの感想などは述べませんし、セッションを聞いている前提に近いかたちで書くので文脈がわかりにくいところもあるかと思います。
全体のざっくりとした所感と自己紹介
私個人の能力として、「チームメンバーを巻き込む能力」が不足していることを痛感しました。
私の立ち位置としては、マネージャーという領域を積極的にやりたいわけではなく、プロダクトのためにできることをやっていたら、その領域がたまたまマネジメントの領域と大きく被っていたに過ぎません。
結果として役職であったりロールが付与されているわけですが、役職やロールがあったから今の仕事をしているわけではなく(役職やロールで増えた業務はあります)、「あとから付いてきたもの」という印象です。
そのような経緯なので、メンバーの技術的なフォローやキャリアビジョンに向けてのギャップの指摘などは行っていましたが、チーム単位での技術向上やチームビルディングはあまり進められていませんでした。
上記のような背景のもと、今回私がEMConf JPでメンバーに伝えないといけないと感じたのは次の3つです。なんか他にもある気がしますが、膨大な量になりそうなので抽象度を上げて、まとめてお届けします。
- 具体→抽象→具体を伝える
- メンバー総マネージャー時代
- 「EMあるある」を「チームあるある」に変化させる必要がある
「一貫してあるのが当事者意識をもたせること」です。
具体→抽象→具体を伝える
EMの人たちは自然とやりがちで、今回こにふぁーさんやだいくしーさんのセッションが具体に寄っていたのは、この背景があるかなと感じました。 一方でこのスキルは全員が持っているわけではなく、N=1の具体の話を聞いて高ぶった我々の思いは抽象化してチーム内の課題(具体)に落とし込んで伝える必要があります。
素晴らしいセッションを聞いて感銘を受けるのは、その場のライブ感に影響を受けることが多いです。そのまま伝えても自分の感動度合いとメンバーの受け取り方でギャップを生む可能性が高いと考えます。
具体を抽象化して考えられるスキルを持つメンバーに対しては「この資料見てね」で「勝手に成長してくれます」。一方でそうではないメンバーはチーム内の課題に落とし込み、ともに改善が必要であるという目線合わせをする、あるいはどうやって抽象を切り出したか思考フローを共有しないと温度感がずれます(このへんは最後のパネルディスカッションでも話題に上がっていました)。
メンバー総マネージャー時代
オープニング、クロージングのキーノートで共通で語られた生成AI時代の到来。
懇親会でもプログラミングはAIに任せられる時代にジュニアエンジニアに何を教えれば良いか、という命題が議題になりました。
キーノートで話されていたのは「時代がこのまま変化していけば、エンジニアの役割はAIのマネージャー、あるいはAIマネージャーのマネージャー(オーケストレーション役)になっていく」ということでした。
私たちEMが生きのこるだけであれば、生成AIを使いこなして行けば良いです。メンバーを置いていけば何も考える必要はなく、ベストを尽くしていれば良いのです。
会社としての役割を考えるとそうはいきません。「AIマネージャーのマネージャー」になる前に、「AIのマネージャーであるメンバーのマネージャー」というフェーズが入ります。
AIにどこまで自律的にタスクをこなす能力が備わるのか、それがいつなのかは予想がつきません。しかし、会社のスケールアウトを考えるとAIをマネジメントできる人材は増やしたほうが良さそうです。
となると、直近のピープルマネジメントの課題はいかにAIを「マネジメントできる人材」に成長させるか、ということになっていきます。当然ある程度本人の志向はあります。とはいえ、そう遠くない未来に「普通の人間」は負けていくでしょう。
マネージャーは今まで以上に後身のマネージャーの育成に力を入れる必要があると感じました。
「EMあるある」を「チームあるある」に変化させる必要がある
最後に、これはセッション内で語られたことではないです(たぶん、少なくとも聞いたセッション内ではなかった)が、「EMあるある」を「チームあるある」に変化させる必要があると感じました。
「具体→抽象→具体を伝える」の中でも書きましたが、具体と抽象を行き来するスキルは万人にあるものではありません。
そしてEMの課題は個人もそうですが、チーム全体として取り組んだほうが良いものも多いです。
EMConf JP 2025では具体例として、数々の「EMあるある」が語られました。「EMは孤独である」もその一つです。
私が感じたのは例えばこの「EMは孤独である」を「チームの共通認識/課題」にしてしまえば孤独ではなくなるのではないか、ということです。
言葉を選ばなければ「EMあるある」を「EMあるあるだよねー」という話にするのは一種の諦めのようにも見えます。
私たちEMは「EMあるある」をチーム課題に変化させ、メンバーに伝えていくことが、今後必要になっていくのではないかと感じました(自戒を込めて)。
おわりに
わりとお気持ち、ポエム的な内容になりました。 EMConf JPは良いイベントだったと思います。 少なくとも私は多くを学びましたし、他社のEMとEMとしてのナラティブの差を痛感し、改善しようと思えました。
スポンサー様、登壇者様、コアスタッフ/当日スタッフのみなさん、そして参加者の方々、すばらしいイベントをありがとうございました。